山梨と水晶
山梨と水晶
職人の技〜特色
- 素材が天然石であるために、大きさや形が限定されます。水晶の硬度はガラスに比べ倍以上も硬いため、加工は大変困難で形作りには非常に時間を要します。
- 石の種類によりその組成が異なるため、粘り強い石、もろい石などがあり、加工には細心の注意と根気強さが要求され、最終仕上げに進むまでは決して気が抜けません。
宝石・貴石とは
一般的に希少性が高くて美しい外観をもち、モース硬度が7よりも高い天然鉱物を指します。
モース硬度
| モース硬度 | 宝石名・特徴 |
|---|---|
| 10 | ダイヤモンド 地球上の鉱物の中で最も硬い |
| 9 | コランダム( ルビー・サファイア) 石英にもトパーズにも傷をつけることができる |
| 8 | トパーズ |
| 7 | 石英(水晶) こすりあわせるとガラスや鋼鉄、銅などに傷がつく |
| 6 | ナイフで傷をつけることができず、刃が傷む |
| 5 | ナイフでなんとか傷をつけることができる |
| 3 | 硬貨でなんとか傷をつけることができる |
山梨の伝統産業
- 甲州水晶貴石細工(石工品・貴石細工、1976 年)
- 甲州印伝(その他工芸品、1987 年)
- 甲州手彫印章(その他工芸品、2000 年)
※経済産業大臣指定伝統的工芸品は、伝 統的工芸品産業の振興に関する法律(昭和49年5月25日、法律第57号)に基づいて経済産業大臣により 指定された日本の伝統工芸品を指す。
山梨県指定の伝統工芸品
甲州貴石細工、 甲州印伝、甲州雨畑硯、甲州大石紬、甲州手彫印章、甲州武者のぼり・鯉のぼり、⻄島手漉和紙、親子だるま、甲州⻤瓦、市川大門手漉和紙、山梨貴宝石、富士勝山スズ竹工芸品
日本遺産「甲州の匠の源流・御嶽昇 仙峡」
日本遺産「甲州の匠の源流・御嶽昇 仙峡」は、当景勝地である昇仙峡の 地域一体から水晶が産出されたこと から宝飾業の礎となったこと、そこ から生み出された水晶振動子など現 代の科学技術につながったこと、さ らには昇仙峡地域の渓谷・神社・文 化財などが評価され認定されました。
秋晴れの金峰山
鉱物採取に関する制限
自然公園法(国立公園) 許可もしくは届出が必要
・鉱物や土石の採取。
山梨県自然環境保全条例(県有林) 許可が必要
・教育又は試験研究のために鉱物を掘採し、又は土石を採取すること。
・露天掘でない方法により鉱物を掘採し、又は土石 を採取すること。
恩賜県有財産内入山許可申請(県有林) 許可が必要
・立木、土石等の産物を許可なく採取すること。
乙女鉱山
水晶のでき方
※反町遺跡出土水晶遺物の写真は上野（2015；「玉つくり」『見えてきた！！古墳時代の幕開け–東松山市反町遺跡を中心に–』埼玉県埋蔵文化財事業団）より
水晶石器中の針状固相包有物
遺跡ごとの包有物頻度
参考資料
こちらの資料をPDFでダウンロードできます。